まだまだ予定を変更して

 という訳で、前回掲載した「壊れた骸骨」。
 仮面の原形として製作した合成粘土製の物なのだが
 実は壊れる前に寸分違わぬプラスチック製のコピーを作っておいたので
 (ここには書き切れない紆余曲折を経て/泣)事なきを得た。

 今回仕事をさせてもらったのは 「YOSAKOIソーラン祭り」 の常連、『JAL極楽とんぼ』 チーム。
 過去に優勝経験があり、先日行われた祭りではセミファイナルに進出した有力チームだ。
 実は5年前にもこのチームの仮面を製作したことがあり、その時のリベンジも兼ねてこの仕事を受けさせてもらった。

 100個作りました。お面。

 ちなみに5年前は150個。さらに別チームの50個。よくやったよな、俺。

 

 仕事として作ったと言っても、俺は工場や専用の機械を持っている訳ではない。
 電気コンロでプラスチックの板を一枚ずつ暖めて、額縁と掃除機で作った
 手製の「バキュームマッスィーン」で仮面の形にプレス、くり抜き作業はハサミとカッター、
 仕上げはサンドペーパーという、極めてマニュファクチュアリー(なんだそれ)な方法で製作したため
 100個までの道のりは遠く、辛いものとなった。それ以前に原形作り時間がかかり過ぎたんだけど^^
 (ガレージを提供してくれたkimi氏、仕上げの修羅場を手伝ってくれた3人にこの場を借りて感謝!)

 今回はチームからの要請と俺自身の希望で、祭り開催期間中の6/10(土)と6/11(日)の二日間、チームに帯同させてもらった。
 骸骨のような複雑な形状を再現するには、薄く柔らかい素材で成形するしかなく
 激しい踊りの最中に結構簡単に破損するため、随時修復する必要があったからだ
 (その割には道具を忘れて応急処置しか出来ないというポカを犯したのは内緒だ)。

 

 自分の作った仮面をつけた100人近い集団が、一糸乱れぬ動きで観客を盛り上げていく様は実に感動的だった。
 製作時の辛さを消し去るには充分過ぎたし、「やって良かった」と何度も心から思えた。
 自分の仕事を誇りに思える瞬間。これがあるから止められないんだよね。


 

 YOSAKOIソーラン祭りについては、祭りそのものの在り方や審査方法、踊り子達のモラル等
 賛否両論があるのは知っているし俺も思うところはあるが、このチームはそういった批判とは無縁であると断言したい。

 「楽しむ」ために「真剣」に取り組む踊り子さん達の姿勢。統制のとれたボランティアスタッフ諸氏の献身的なサポート。
 大企業の出資があるにも関らず、決して奢ることのない運営陣の謙虚さ。真剣さ。

 そして何より印象的だったのが 「家族」のようなチームの雰囲気。
 久し振りに「集団っていいな」と思った二日間だった。

 とても幸せな時間を共有させてくれたチームの皆さんに感謝。
 本当にお疲れ様でした!!

                            06/06/13 o-hara


さらに予定を変更して

 今回、仕事でこんなものを作った。
 んああああああああああああああ!!!
              つづく     06/06/01 o-hara


予定を変更して




PC内のファイルを整理していたら、懐かしい作品の写真が出てきたので貼ってみた。
何故懐かしい作品の写真なのかというと


しばらく何も作ってないからです。


また粘土をこねてみようかなと思ったり思わなかったり・・・
作るのは好きだし、作ってる時間は幸せだったりするけど


他の事が全く出来なくなるので
自粛中なのであります。



それでも仕事は募集中という矛盾。
興味のある方、お待ちしております><

                              06/03/17 o-hara



その気になれば三行で終わるんですが

 ジャズ≒ハードコア編。

 ジャズを最初に意識して聴いたのは、18歳の時にバイト先の先輩に借りたマッコイ・タイナー
の「トライデント」だった。
 それまでハードコアやヘヴィメタル一辺倒だった俺にはちょっとした冒険だったが、これがかなり良くてしばらく聴き込んだ。
 初めに聴いたのがこれじゃなかったらジャズを聴く事はなかったと思う程ハマった。
 布陣はマッコイ・タイナー(pf)、ロン・カーター(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)の3人。
 管楽器なしのシンプルなトリオ編成だったのが良かったのかもしれない。
 特にジョン・コルトレーン(ts)のカバー、「インプレッションズ」は何度も繰り返し聴いた。
 異常に張り詰めた緊張感と、ハイスピードで攻撃的な展開に、好きだったハードコアに通じるものを感じたのだ。
 この後、つまみ食い程度ではあるが、本家(?)コルトレーン、マイルス・デイヴィス、エリック・ドルフィー等に手を出し
 フリージャズを経て、ジョン・ケージを始めとする実験音楽も聴くことになるのだが、その話はまたいずれ。
 ちなみに俺はジャズは「叩けません」 はい。


 さて、初心者の俺がジャズにハードコアとの共通性を見出し、受け入れることが出来た主な理由を考えてみた。
 一つは前述した通りの「攻撃性」。それと、もう一つ

 「偶然生まれる凄いこと」だ。

 勿論使う楽器、テクニック、演奏方法が根本から違うので表面的な共通点はないのだが。
 解り易く説明しよう。できるかな。
 ジャズの場合、基本的な約束事以外はテクニックと信頼に裏打ちされた即興演奏の応酬だ。
 即興だから、プレイヤーの相性やコンディション、アイディアが噛みあうと物凄いことが起きる。
 所謂「名演」と呼ばれるプレイだ。
 これに対しハードコアの場合は、テクニックが無い故の不安定な演奏や、意図せずに「たまたま」入った雑音が奇跡を起こす。
 その奇跡がジャズにおける、「高度なプレイの応酬で収拾がつかなくなった状態」と重なるのだ。 

 分不相応に複雑な展開に走った時の演奏の乱れやリズムのもたつき。
 最後までオカズを叩ききれないドラム。それを偶然補うベースのフレーズ、ギターのハウリング。
 不完全なピッキング・ハーモニクスや歪ませすぎて音程がなくなったギターソロ。
 「ここで叫ぶか、おい」と、もの凄いタイミングで入ってくるシャウト。
 続々と起きるチョンボが、ジャズとはまた次元の違う緊張感と奇跡を生むのだ。 

 断っておくが、俺はハードコアをバカにしているのではない。
 これがあるからハードコアはカッコイイのだ。

 ジャズ未体験だった高校生の頃から、この「奇跡」の虜になっていた俺は
 当事やっていたハードコアバンドでも同じような事が意図的に再現出来ないかと色々と試した。
 結果、上手く行ったかどうかは解らない。
 個人的にはそれなりに満足したが、それは聞くほうが感じとる事だから判断のしようがない。 

 音楽って、そういうものですよね。


 
うわ、まとまらねー!!


 酒の勢いで書いたのでこれでいいや。
 次回は「ロックに回帰するまでの哀れな迷走」を予定。未定。


                                         05/10/20 o-hara

 ※マッコイ・タイナー…ジミー・ギャリソン(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)とともにジョン・コルトレーン(ts)・カルテットの黄金期を築く。



始める前に

 個人ページをやると聞いて、考えた。
 まず思ったのは、俺のパーソナルな部分ばかり書いても仕方ないから、なるべく止めておこうという事。
 次に、音楽についてはあくまで"聴く側"として書こうという事。
 これは、俺がプレイヤーとして語るだけの技術を持ってないからというのが主な理由だ。
 最後に、何の話題を書くにしてもマスターベーションにならないように
 読んでいて少しでも面白くなるように心がけようという事。
 とは言っても所詮素人の文章なので、そう上手く行くとは思えない。
 その辺はとにかくがんばttみ@kfこslsぱ;あpwんぅsj

HARDCORE TEMPTATION その一

 今回は、ハードコアの話。
 メンバー紹介のページに「80年代ハードコアのうんたらかんたら」なんて書いてあるが、実はちょっとズルをしている。
 ああいう書き方をすると、普通想像するのは<ディスチャージ>や<カオスUK>を始めとする海外のハードコア勢だろう。
 しかし、俺はその辺りはほぼ素通りで、聴いていたのはもっぱら日本のハードコアだった。
 インディーズ・シーンがまだ本当の意味でインディーズだった時代のバンド達だ。
 「なんだよ、日本のかよ」と思われるかもしれないが、実は全く恥かしいとは思わない。
 何故なら、音楽としての完成度は日本のバンドの方が数段上だったからだ。ていうか下手なんだもん、外人。
 「ジャパメタが好きでした」というよりは胸を張れるのではないかと思う。
 まあ、今俺の車に入ってるCDは浜田麻里だったりするのだが。
 
 さてお約束だが、まず今回は俺が好きだったバンドについて語ってみようと思う。
 
 【G.I.S.M 】
 ギターのRANDY氏の死去に伴い数年前に解散した、日本ハードコアの核にして異端。
 所謂「メタルコア」とカテゴライズされ、高い演奏力と暴力満載のライブで海外からも高い評価を得た。
 俺が始めてハードコアを聴いたのが、このバンドの「Shoot To Kill」という曲で
 あまりのインパクトに思わず吹き出してしまったのを覚えている。
 ノイジーかつメロディアスなヘヴィメタルをバックに、曲をほぼ無視した国籍不明の怒号が乗る。
 時にコミカルでさえあるSAKEVI氏のVoは、どこまでが本気でどこまでが冗談なのか理解に苦しんだものだが
 最終作となったアルバム「SoniCRIME TheRapy」で全ての答えを見た気がする。
 過去の作品では表現し切れなかった、全ての要素を表現し切った傑作だと思う。
 最初に聴いた時、あまりにカッコよくて泣いたもん、俺。

 【LIP CREAM】
 アメリカのシーンでも絶賛された、POPでストレートなハードコアバンド。
 というような言われ方をよくされるが、俺はそうは思わない。
 PILL氏の「鳴らしきる」恐ろしくタイトなドラムを土台に、シンプルでありながら時折顔を覗かせる
 R&R由来のカッコいいギターフレーズ。チンピラ風のしゃがれたVoは、英語でも日本語でもひたすらカッコいい。
 メッセージ性の強い歌詞であっても暑苦しくなく、さらりとクールにやってしまう。
 存在の仕方そのものがカッコいいバンドだと思う。

 【GAUZE】
 誰にも媚びずにひたすら突き進み続ける日本ハードコアの最古参にして象徴。しかもまだ現役。
 こちらもリズム隊が恐ろしくタイト。これにノイジーなギターと、剥き出しの日本語で捲し立てるVoが絡んで
 怒涛のハードコアワールドが展開される。
 俺がGAUZEを聴いて連想するのは「気合」「男」「汗」「ふんどし」だ。
 ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
 とにかく演奏能力が異常に高くリズムのバリエーションも多いので、短い曲が多いながらも全く飽きない。
 月並みだが、継続することの凄さとカッコよさを体現した奇跡のような存在と言える。

 【THE EXECUTE】
 ガスタンクのBAKI、BABY両氏が在籍していたことで知られるEXECUTE。
 俺は両氏の在籍時、脱退後を通してEXECUTEが大好きで、今回挙げたバンドの中でも一番影響を受けている。
 強烈な存在感を放っていたBAKI氏の後任Vo二名も、レコードを聴く分にはカッコよかった(ライブ見たことありません)。
 他のメンバーも割と流動的で、リーダーであるLEMMY氏のワンマンバンド的な印象が強いが
 EXECUTEの最大の魅力は、LEMMY氏のギターと曲そのものにあると思うので大きな問題ではない。
 初期のEXECUTEは、そのLEMMY氏の独特なセンスによるエキゾティックでスピーディーなリフを柱に
 控えめだけど出る時はしっかり出てくるリズム隊、そして悲壮感を絵に描いたようなBAKI氏のVoが魅力だった。
 その後、BAKI氏が移籍したガスタンクが異常な人気を得てしまったため(俺もライブ見に行ったし)
 その陰に隠れる事も多かったと思うが、LEMMY氏のあのフレーズは健在で、「Going Back...」「Mental Mayhem」
 「Your Eyes」「Angel Bitch」など、"名曲"と呼ばれるものが生まれたのはむしろ後期だと思っている。
 ハードコアの「ゴツさ」とは無縁だが、シンプルでスマートな曲作り、決してヘヴィメタルではない独特の「泣き」は
 本当にオリジナルなものだったと思う。

 10代の頃にやっていたバンドでは特にEXECUTEからの影響が強く、今思えばあからさまなパクリもあった。
 その後俺はハードコアよりも、よりひねくれた音楽へと進もうとするのだが、その話はまたいずれ。
 他にも書きたいバンドは山ほどある。<GHOUL><CLAY><SYSTEMATIC DEATH><白-kuro->etc...
 これも機会があったらいずれ書いてみたいと思っている。

 とりあえず物凄く書いたな。と自分に突っ込みを入れて今回は終了。
 やっと読み終えたところ申し訳ないが、残念ながら今回はまだ「さわり」だ。 まだやんのか。
 次回は「ハードコア≒JAZZ論」を予定中。           

                                               05/03/27 o-hara



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